総合失調症の概要と症状

統合失調症イメージ写真

かつては精神分裂病と呼ばれていた精神科の病気です。妄想・幻覚を認め、時に現実との区別が困難な状態になります。思考や感情などをまとめるとされる能力低下し、日常生活に支障をきたしていきます。原因については、現在も様々な研究がされています。
なお統合失調症の患者さんは、日本の全人口の約1%にあたる100万人程度いると言われています。つまり、それほど珍しい病気というわけでもありません。発症に性差はありませんが、高校生~20・30歳代までに発症することが多いと言われています。統合失調症の方はご自身が病気であるという認識がないことも多くあります。

症状は大きく陰性症状と陽性症状に分けられます。前者は、喜怒哀楽が乏しくなるなど感情の平板化、意欲や集中力などの低下、思考など知力の低下、他人との関わり合いを避けるなどコミュニケーションに支障をきたすといった症状がみられます。後者では、幻聴(患者さん自身の行動に口を出すような内容や暴言)や妄想(被害妄想 等)がよくみられます。そのほか、考えがまとまらない、話が支離滅裂になるということもあります。

総合失調症の治療

薬物療法

薬物療法では、抗精神病薬が使用されます。近年では従来からの定型抗精神病薬(クロルプロマジン、ハロペリドール 等)よりも、副作用の影響が少ないとされる非定型抗精神病薬(クロザピン、リスペリドン 等)が用いられることが多いです。

心理療法

心理療法では、支持的精神療法(患者さんの気持ちを理解し、自尊心を損なうことなく、医師などがアドバイス等していきます)、心理教育で病気と向き合うなどしていきます。また社会技能訓練で、社会復帰に必要とされる能力を身につけるなどします。